日別アーカイブ: 2019年5月29日

「個性」について。

すえひろ行政書士事務所の行政書士 伊藤大介です。

今日は,まったく行政書士と関係のないお話です。(毎回関係のないお話しですが…)
先日,テレビを見ていると「お子様の個性を伸ばす,画期的教育方法!!」みたいな番組がありました。
本当に素晴らしいと思います,人間一人一人違って当たり前。
違うことを認められなくなれば,それはとても息苦しい,ギスギスとした社会になることは必至です。
でも少しだけ考えてみましょう,

「個性」って何ですか?

「人と違うところ」
「自分だけにしかない素晴らしいところ」
「みんな違って,みんないい」
ちょっと曖昧模糊としていませんか?
そこで今日は「個性」について考えてみたいと思います。

以前ブログでも少し触れましたが,私は弓道をやっています。
弓道というのは的に向かって弓を引きますが,矢の当たり外れよりも弓を引く格好「射形」が重要とされています。
もちろんまだ弓道を始めたばかりのころは,射形は定まらず一人一人大きく違う射形で弓を引くことになります。
「一人一人違う射形」
はたしてこれは「個性」でしょうか?

弓道ではこれは「個性」とは呼ばずに,「射癖」と呼びます。
そう,違いは「個性」でなく「癖」なのです。
弓道ではこの「癖」を修正することに年単位の長い時間を費やします。
一つ一つ「癖」を修正し,また新たな「癖」が生まれそして修正していく。
理想とされる一つの射形に向かい,徹底的に射癖を潰していきます。
さらに射場(弓を引くところ)では,呼吸の仕方さえ決められており,徹底的に他者との調和が求められます。
そんな途方もない厳しさが弓道の稽古にはあります。

上達するにつれて,次第に一人一人の違いは薄れ,素人目にはみんなが一様に同じ動きをしているように感じると思います。
しかしながら,人間の骨格や筋肉はみな同じではありません。
ほんの少し,気を抜けば見逃してしまうくらいの「違い」が残るのです。
私はこの小さな小さな「違い」こそが「個性」なのだと思います。

「癖」を徹底的に排除し,最終的に残った「違い」こそが「個性」なのではないでしょうか。
「他者と違うものは全て個性」
「個性だから違って当たり前」
それは「癖」であって「個性」ではないと思います。
厳しく磨き抜かれたが故に「個性」は光り輝くのではないのでしょうか。

………多分。

弓道

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Let me run with you.
すえひろ行政書士事務所
行政書士 伊藤大介
~この画像,弓道経験者がみると「あ~‥」ってなります(笑)~