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“さようなら”今昔

すえひろ行政書士事務所の行政書士 伊藤大介です。

「17年前わたしが友人に言った“さようなら”は,彼らが今,友人に言う“さようなら”と同じ意味でしょうか?」

なんだか意味深な言葉で始まってしまいましたが,今回は移り変わる「国際交流」の形について書いていきたいと思います。

私は17年前,20歳~21歳にかけて1年6か月ニュージーランドで生活していました。当時は,インターネットこそありましたが,ダイヤルアップの時代,「ギーギーガガガ…ギゴギゴー」と接続のたびに鳴り,パソコンが電話回線でインターネットに繋がっていた時代です。基本的に友人とのやり取りはEメールが主流でした。

当時私は,ニュージーランドで沢山の若い学生や旅行者に出会い,日々楽しく飲んだくれて彼らとの交流を重ねていました。しかしながら,私も含め皆,いつかは自分たちの国へ帰っていきます。仲の良い友人が帰国する際は,必ず空港まで見送りに行ったものです。

「ありがとう!楽しかった!“さようなら”」

涙ながらに見送るのは,これがかなりの確率で,「再会の無い“さようなら”」だとお互い認識しているからです。Eメールがあるのですから,お互いの近況を伝え合うことは可能です。しかしながら,帰国すれば忙しい日常に追われ,そして顔を合せることができる友人が優先となり,外国にいる友人とは疎遠になってしまうことは想像に容易でした。

考えてみれば,インターネットが普及する以前は,個人的な国際通信手段は手紙しかなかったでしょうからこのような別れが,「今生の別れ」といっても大げさではなかったでしょう。

そんな「再会の無い“さようなら”」を大きく変えたのはFacebookをはじめとする所謂SNSの普及でした。手軽に情報を発信することができ,なによりも国内の友人と海外の友人,ひとつの同じツールでコミュニケーションが取れるということが画期的でした。それ続くようにLineが普及し,海外の友人とも日本の友人と同じように連絡が取れるようになりました。今では通勤途中で見かけたきれいな花の画像を,手軽に一瞬で世界中の友人たちと“シェア”することができるようになりましたし,一晩中,自分の悲しみや喜びを友人と語り合うこともできます。感動や情報を共有することは友人関係をより深くします。LCCなどの航空網の発達も,大きな助けとなりました。海外は確実に近くなり,安い運賃で手軽に友人を訪ねることができるようになりました。

「再会の無い“さようなら”」だったものが,今では「再会を前提とした“さようなら”」にその言葉の意味を変えています。「国籍」や「居住地」そして「言葉の壁」さえも容易に超える現在の若者たちの「国際交流」。これは私たちには決して真似のできません,これから社会の主役となってくれる彼らが,どのような,国際色豊かな日本を作っていってくれるのかとても楽しみです。

確実に彼らの“さようなら”は,17年前に私が友人に言った“さようなら”とは意味が違うものです。

空港

Let me help,
Let me run with you.
すえひろ行政書士事務所
行政書士 伊藤大介
~先日タイ人の友人に子どもが生まれました。感動でちょっと泣きそうになりました(笑)~